読了『いちばん長い夜に(乃南アサさん著)』

この週末は、
乃南アサさんの作品『いちばん長い夜に』を読みました。



どうして手に取ったんだっけな・・
図書館を歩いていて、タイトルが目に付いて、
「長い夜かぁ。イヤだよなぁ・・・」って共感できて、
なんとなく、借りてみたんだったと思います。


主人公は、前科がある女性二人。
刑務所内で知り合い、服役後の生活(人生)の描写から始まります。

一からやり直すことと、その状況での人との出逢い。
友達(同志)との微妙な距離感の描写。
お互いを想うあまり、踏み込みたい、踏み込んじゃいけない、という感覚や
人は、環境が変わると一緒にいる人も変わる、という経験は
自分にもそれなりにあるので
その心理がよくわかり、自分への戒めになるかも‥ と思ったり
もうちょっと踏み込んでいいかも、と思ったり。

そして、主人公の芭子(はこ)が途中、
東北で経験する東日本大震災のリアルな描写。
当時はもうこの家に住んでいた私は
千葉でさえとても大きかった地震と、余震をたくさん経験したので
読んでいるうちに東北の状況がまざまざと想像でき、恐ろしくなるほど。
余震の間隔も、とてもリアルでした。

なぜここまで現地のことを詳細を書けるのだろう、
という種明かしは、作者の「あとがき」にありました。



読了後、初めて見た背表紙。
あの一本松でした。
借りる前に見ていたら、印象が違っていたかもしれません。


いちばん長い夜に、変わったこと。
いちばん長い夜に、見えないところで起こったこと。
現実に起きたことと、
現実であってほしくないことが入り混じって
とっても読み応えのある本でした。

私は読書歴が浅くて、作家さんにも疎いので
乃南アサさんのことも存じ上げなかったのですが

前科(昏睡強盗と殺人)がある二人が登場人物で
(私に前科があるわけではありません悪しからず。)
重いテーマはずっと背景にありながらも、
登場人物の個性がとってもよく見えるので読みやすく
人生どうなるかなんて分からないよなぁと
しばらく、耽っていました。

年齢的にも、主人公に近いし
箱入り娘が世の中にでて、「待つ」ことをできずにしてしまったことは
先日読んだ辻村深月さんの「朝が来る」でも思ったこと。

そして、人を殺める、ということは。

私なりに、考えさせられる作品でした。


今日、図書館で借りてきた本は、この4冊。↓

中でも楽しみなのは、田崎真也さんのお料理の本です。
柔軟な発想で、枠を取っ払ってくれるようなアイデアが満載なはず!
楽しみ~


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