本番終了。これまでにない充実感。【Op.60 舟歌】


昨日、舟歌の本番を終えました。

弾き終わったあと、
「やった~!」って叫びたくなるような、
そんな出来でした。

舞台袖では怖くて指が震えていたし
記憶障害かと思うほど、音を忘れてしまったりしたんだけど

ステージから客席を見てお辞儀をする前に
会場に居てくれた長男と母が見えて
「あ、ここはアウェイじゃない。ホームだ!」と思えて

毎日の練習を「生活音」として聞いていた長男に届けたい、
という気持ちになり、
ピアノの椅子に座ったら心が落ち着きました。


気をつけなければいけない箇所。
弾けるかどうか分からない箇所。
練習を重ねてもどうしても弾けなかった箇所。
それらが全部、うまくいきました。
信じられない。

常に、時間を司る「左手」の意識と、
いくらでもしつこく弾けるこの曲に決して酔いしれないように。
そのことはずっと意識していました。

その代わり、
いつも難なく弾けていた箇所(=あまり練習していない)で
凡ミスした。
練習はこうして、結果に繋がるのだなぁと
思い知りました(今更)。

でも、
私の中で「ここが弾ければもう大丈夫」という箇所が
楽譜の2ページ目にあるのですが
そこがうまく行ったので、もう、イケる!ってなって
弾いているときも、弾いた後も、
そのテンションのまま、音が伸びていく時間を感じて、
焦らず、走らず、
最高な気持ちで自分の出番を終えることができました。

この曲の解釈は星の数ほどあるので
素人の私があれこれ言うことはないし
私の演奏などたかが知れているけれど、

私が弾く舟歌は確実に、昨日が最高潮だった。
本番を終えてこんなに心地よい気持ちになれたのは
初めてのような気がします。

その証拠に、いつも本番を終えると
そのあと1週間くらいはまったくピアノを弾かなかったりするんだけど
有給休暇をとった今日、ピアノに向かいました。
しかも、舟歌を弾きました(昨日のように弾けない笑)。

良い日だったな~と思いながら
本番に乗せた曲を家で弾くなんて、自分史上『初』。苦笑

一番記憶に新しい本番は、同じくショパンのバラード4番なんだけど、
あの曲を弾いた時はもう、『産みの苦しみ』。
弾き切ったあと、あふれる涙を止めることはできなかったし、
これでやっと解放される、と思ったのです。

ですが今回の『舟歌』は
これからもずっと弾き続けたい、と今も思っています。
昨日の本番も、その気持ちを大切にして弾きました。
この曲とずっと一緒に居たい、と思っています。

***

長男と母が観客席に居てくれたことが
とっても心の支えになりました。

とくに長男は、いつも私の練習を聞いていたので
演奏を聴きに来てくれたことはとっても嬉しかったです。

母もずっと楽しみにしてくれていたので
このコロナ禍の中、都内まで来てくれました。
すっかり着こなしている着物姿で、素敵でした。

そして私達三人は、
師である先生の演奏に度肝を抜かれて、大興奮。
会場を後にした後もずっと「いや~すごかった…」と
みんな、うわの空でした。

厳戒態勢で様々なルールがある中、
会を開いてくださった先生には本当に感謝しています。

観客席に入れるのも、事前に連絡をした方のみ。
手の消毒はもちろん、
入場前の検温も全員に行われました。
普段とは勝手が違うことや、規制もたくさんあり、
本当に大変な運営だったと思います。



家に着いて、
前日(ひとり前夜祭)に開けたリースリングを飲む瞬間。

前日よりも深く、フルーティになったリースリングは
ツーっと体に染みわたって
濃い一日を中和してくれるようでした。

有給休暇をとった今日は、
気に入っているお店へお買い物に行きました。


夏につけたいイヤリングを見つけたので買っちゃった。
この夏は少し遊びに行けるといいなぁ。

***

次は何の曲を弾こうかな。
同門の方々の演奏を聴いて、とっても刺激になりました。

バッハも弾きたいし、ブラームスもかっこいい。
ドビュッシーも、ラヴェルも、すごく良かった。
コテコテのベートーヴェンも弾きたい。


これからの自分のピアノ人生に繋がるような本番が経験できて
本当に幸せな一日でした。


*あとがき*

最初に載せた写真のハンカチは、
数年前に岡山の師匠がプレゼントしてくださったもの。
これまで何度も、このハンカチと一緒に本番を経験しています。
手を拭くわけでも、汗をかくわけでもない、
ステージにお守りとして、いつも居てくれる大切な存在です。

イヤリングは昨日、ステージでつけたもの。
衣装に合った色あいですっごく気に入っています。
実は、Seriaで買ったので110円です。笑



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